核磁気共鳴装置 (NMR)

装置概要

 核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance : NMR)装置では、静電場中に置かれた試料に強いパルス状のラジオ波を照射する。試料を構成する原子の原子核は、核磁気モーメントとの相互作用により共鳴を励起し、その後、弱い電磁波(自由誘導減衰信号)を放出しながら基底状態へと戻る。核磁気モーメントの振る舞いは、核周辺の電子雲、分子内の他の核、隣接分子中の核との相互作用に影響される。そのため、得られた自由誘導減衰信号に対し、フーリエ変換を行ったスペクトルを解析することで、試料の分子構造や配座、分子間相互作用、分子運動に関する情報が得られる。また、これらの情報は試料を破壊することなく得られる。

主な仕様
メーカーBruker
機種名AVANCE Ⅲ HD
共鳴周波数500 MHz
設置年度

2013年度

設置場所

新館 103号室

利用について

安全上の注意事項
  • 装置周辺には強力な静磁場が発生しているため、心臓ペースメーカー装着者は装置に近づかないこと。
  • クエンチが生じる危険性を常に念頭に置いておく。マグネットに磁気体を近づけるといった人為的ミスや地震などの災害により、クエンチ(超電導状態の消失)が発生する恐れがある。クエンチが発生すると、液体ヘリウムや液体窒素が瞬時に気化し室内が酸欠状態となり人命に危険を及ぼす恐れがある。そのため、マグネット周囲に磁性体を近づけない、災害時には即刻退室する、常に換気をするといった点に注意を払いながら測定を行うこと。
依頼分析

学内者向けに依頼分析を承っていますのでご相談ください。

学外利用

本装置は他大学・公的研究機関による利用が可能です。条件付きで民間企業による利用も可能です。