新規導入・紹介機器

電子後方散乱回折(EBSD)

本センターで所有している走査型電子顕微鏡(JSM-IT700HR)に新たにEBSD検出器(EDAX社Velocity)が追加され、2023年11月より運用を開始しました。学外(大学・民間企業等)の方もご利用になれます。

EBSDとは、Electron Back Scattered Diffraction Patternの略称です。

70°傾斜させた試料に電子線を照射すると、試料内で結晶面に対してブラッグの式を満たす角度で散乱された電子が回析され、EBSDパターンとして検出器に投影されます。

このEBSDパターンを解析することで、各結晶粒の方位を決定することができます。

今回導入されたEBSD検出器では、最大1秒間に2000点のスピードでデータ収集を行うことができるため、以前よりも非常に短い分析時間で測定を行うことができます。

また、EBSD測定を行う際は、測定試料の表面の状態が非常にきれい、かつ平坦である必要があります。 機器分析センターには、試料前処理装置(クロスセクションポリッシャー、機械研磨装置等)がございますので、EBSDと合わせて是非お使いください。

電子プローブマイクロアナライザー・カソードルミネッセンス (EPMA・CL)

2022年4月から運用を開始しました。本機器は学外(大学・民間企業等)の方もご利用になれます。

EPMAはサンプル表面を顕微観察し、狙った個所の元素の種類と濃度を分析する装置です。元素の分布をマッピングすることもできます。

本センターにおける以前のEPMAではLaB6の熱電子銃を使用しておりましたが、本機ではFE電子銃を使用しております。それによりずっと高分解能の顕微観察を行えるようになりました。

元素分析に関しては5個の分光器ならびに10個の分光結晶を搭載しています。それにより軽元素はホウ素から、重元素はウランまでの分析が可能です。高感度タイプの分光結晶もあるため、微量元素の分析も有利に行えます。

上述のWDXに加えて本機はEDXも搭載しています。EDXを併用することで、例えば元素マッピングの際に予期せぬ元素が存在していた場合にも、直ちにそれに気づくことができます。またマッピングの時間短縮を図れる可能性もあります。

また従来機ではEDXを使うために液体窒素を注ぐ必要がありましたが、本機ではそのような前準備はいりませんので、手軽に使うことができます。

本機はさらにカソードルミネッセンス(CL)を検出し、そのスペクトルマッピングを測定することができます。これはEPMAの元素マッピングと組み合わせて同時に使用することができます。右に紹介しているのは樹脂包埋したルビーの測定例です。発光強度が低下している部分ではCr以外の不純物濃度が大きくなっていることが確認されました[1]。(サンプル提供:山梨県立宝石美術専門学校高橋教授、測定:本学山中准教授)

[1] J.Yamanaka et al., Microscopy and Microanalysis, 29 (S1), 2023, 2011-2013